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貴方は「胸やけ」や「呑酸」に悩んでいませんか。呑酸とは、口の中や喉のあたりが酸っぱい感じがすることです。
胸から何かが突き上げて来るような不快感を覚えたことがある方もいらっしゃるでしょう。
その症状は、もしかしたら逆流性食道炎かもしれません。

食道は、胃に食べ物を送る管で、通常は一方通行です。
しかし、何らかの原因で、胃の中にある胃酸が食道の方まで逆流してしまうと、強い酸である胃酸によって食道が傷ついて、炎症を起こしてしまいます。
これが逆流性食道炎です。
逆流性食道炎を改善するには、食道を傷つける原因である胃酸を抑える必要があります。
その胃酸が分泌されるのを抑える役割を担うのが、ネキシウムというお薬です。

ネキシウムとは

ネキシウムというお薬には、「エソメプラゾール」という成分が含まれています。
エソメプラゾールは、胃酸が分泌するのを抑えるお薬の中でも、「プロトンポンプ阻害薬」と呼ばれる種類のお薬です。
プロトンポンプ阻害薬の他に、胃酸の分泌を抑える作用を持つお薬として、「H2受容体遮断薬」「抗コリン薬」「抗ガストリン薬」と呼ばれる種類のお薬がありますが、作用はプロトンポンプ阻害薬の方が強いとされています。

ネキシウムという名称の由来は「Next Millennium」であるとされており、次の1000年を担うという期待が込められています。
日本では4番目に販売されたプロトンポンプ阻害薬で、それ以前から使用されているプロトンポンプ阻害薬の「作用の個人差が大きい」という弱点を改良したお薬となっています。
体内で長く、持続的に作用することも、ネキシウムの利点の一つとされています。

ネキシウムは逆流性食道炎以外にも、消化性潰瘍や、ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助に使用されます。
通常、胃や十二指腸などの消化管の粘膜は、防御機能によって強い酸である胃酸から守られています。
しかし、何らかの影響でこの防御機能が壊され、酸によって消化管の組織が深くえぐられた状態を潰瘍と言います。
消化管に潰瘍が生じると、吐き気や嘔吐、腹部の痛みやお腹の張りといった症状が出ます。
出血をきたせば、吐血や、タール便と呼ばれる、血が混じった黒い便が出ることがあります。
消化管を守るためには、やはり消化管を攻撃する酸を抑えることが必要となってきます。そのため、酸の分泌を抑えるネキシウムが使用されるということです。

消化管の防御機能を壊す原因の一つに、ヘリコバクター・ピロリの感染があると考えられています。
ヘリコバクター・ピロリが生成する酵素と、胃の中にある尿素が反応し、生じたアンモニアが粘膜を傷つけるからではないかと言われています。
消化性潰瘍の患者さんの多くが、このヘリコバクター・ピロリに感染していることが分かっています。
ヘリコバクター・ピロリを除菌するために、抗菌薬が使われます。除菌に使われる抗菌薬は、酸性よりも中性の条件下で、よく働きます。
ネキシウムは強い酸の分泌を抑えるため、胃の中の環境を中性に傾かせます。ネキシウムはその抗菌薬がしっかり効果を発揮するための補助を担うと言えます。

以前までのプロトンポンプ阻害薬では、作用の個人差が大きかったせいで、除菌成功率にも大きな影響が生じていました。
酸の分泌がしっかり抑制されないと、抗菌薬の効き目が悪くなるからです。
ネキシウムは作用の個人差が小さく、ヘリコバクター・ピロリの除菌の失敗を減らせるのではないかと期待されています。

逆流性食道炎や消化性潰瘍に対しては、1日1回の服用でしっかり効果を発揮します。
なお、ヘリコバクター・ピロリの除菌は通常1日2回の服用が必要です。

ネキシウムの効果のメカニズム

ネキシウムの効果のメカニズムは、一言で言えば胃酸分泌の最終過程で働く酵素である「プロトンポンプ」の働きを抑えることで、強力に分泌を抑えるというものです。

そもそも胃酸は、胃の中に存在する壁細胞という場所から分泌されます。壁細胞には、胃酸を分泌させるためのシグナルを受け取る受容体が何種類も存在します。
プロトンポンプも壁細胞に存在しています。
プロトンポンプは、胃酸を分泌するためのシグナルを受け取ると体内のエネルギーを使用して、壁細胞の外にあるカリウムイオンと壁細胞の中にあるプロトンを交換し、プロトンを消化管の内腔へと分泌します。
プロトンは、胃酸の材料です。
つまり、プロトンポンプは、胃酸の材料を分泌しているということになります。

ネキシウムが投与されると、まず血流にのって胃の壁細胞から消化管の内腔へと分泌され、プロトンと反応して活性体になります。
活性体になったネキシウムは、プロトンポンプに結合して、その働きを封じ込みます。
プロトンポンプは3日ほどで新しいものが作られて入れ替わってしまいますが、ネキシウムはプロトンポンプに一度結合すると、二度と離れなくなるくらい強力に結合します。
そのため、新しいプロトンポンプに入れ替わるまで、その機能は阻害され続けます。
また、ネキシウムの服用を中止しても、数日間は効果が持続するとも言えます。

ネキシウムと他の薬との違い

胃酸の分泌に関わるシグナルの受容体の働きを抑えるようなお薬も存在します。
それが、「H2受容体遮断薬」「抗コリン薬」「抗ガストリン薬」などと呼ばれるものです。
しかし、これらは一度に全てのシグナルを抑えることは出来ません。
一部のシグナルを抑えるだけでは、他のシグナルの働きを妨げることは出来ず、酸は分泌され続けてしまいます。
ネキシウムは酸の分泌の出口であるプロトンポンプの働きを抑えるため、ほぼ完全に分泌を抑制することが出来ます。

日本でネキシウムが販売される以前から使用されているプロトンポンプ阻害薬は、血流にのるまでの過程で、薬を不活性化する酵素の影響を大きく受けることが欠点でした。
しかもその酵素が遺伝的によく働く人(薬が不活性化されやすい人)と、働かない人(薬が不活性化されにくい人)が存在し、薬の効果を大きく左右させていました。
しかし、ネキシウムはその酵素の影響を受けにくくなるような改良がなされているため、効果に個人差の少ない薬と言えるわけです。
更に、その酵素の影響を受けにくくなったおかげで、有効成分が不活性化されにくくなり、より効果の持続性が長くなって高い効果を得られるようになりました。

このようなメカニズムにより、強力に酸の分泌量を減らし、消化管が攻撃されるのを防ぐことで、逆流性食道炎や消化性潰瘍を改善したり、ヘリコバクター・ピロリの除菌の際に、抗菌薬の働きを補助する役割を担うのがネキシウムです。

ネキシウムの副作用が出る頻度

副作用として、1~5%未満の頻度で、肝酵素上昇の報告があります。
しかし肝酵素が上昇したからといって、必ずしも肝臓に何らかの問題が生じたと意味するわけではありません。

また、1%未満の頻度で、以下の症状が報告されています。

  • 発疹、じんましん
  • 痒み、皮膚炎
  • 腹痛、便秘
  • 下痢、嘔吐
  • 口内炎
  • カンジダ症
  • 口の渇き
  • 白血球(免疫を担当する細胞の一種)数減少
  • 頭痛
  • 錯感覚(触られただけで冷たいと感じたり、とげが刺さったように痛く感じたりする症状)
  • 眠気
  • 浮動性めまい(身体がふわふわと浮いているようなめまい)
  • 回転性めまい(自分あるいは周囲がぐるぐる回るようなめまい)
  • CK上昇(主に筋肉に含まれている酵素)
  • 女性化乳房(男性なのに胸が大きくなる症状)
  • 味覚障害

いずれも頻度はそこまで高くないため、過度の心配や特別な対策は必要ないと考えられますが、異常を感じた場合は、処方医に相談してください。

その他、頻度は分かっていませんが、まれに光線過敏、多形紅斑、鼓腸(腸内にガスが溜まって、お腹が膨れる症状)、顕微鏡的大腸炎(顕微鏡で腸の組織を観察して、初めて診断される大腸炎)、不眠症、うつ病、脱毛症、関節痛、筋痛、霧視(目が霞むこと)、倦怠感、多汗症、筋力低下、末梢性浮腫などの症状が出ることがあります。
症状があまりにもひどかったり、何度も繰り返し現れる場合は、処方医に相談してください。

服用により、まれに起こり得る重篤な副作用は以下の通りです。

ショック、アナフィラキシー
じんましん・呼吸困難・下痢・低血圧などが急激に生じます。
汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少
血液の中の免疫を担当する細胞や、出血を止める成分が著しく減ってしまう状態です。
突然の発熱や悪寒、喉の痛み、あざが沢山できる、血尿が出るといった症状が生じます。
劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全
高熱、倦怠感、皮膚や目が黄色くなるといった症状が生じます。
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群
いずれも重篤な薬疹の一種です。
高熱、目や粘膜の充血、まぶたの腫れ目が開けづらい、皮膚の広い範囲が赤くなるといった症状が生じます。
間質性肺炎
呼吸困難、咳、発熱が生じます。
間質性腎炎
発熱、血尿、倦怠感、お腹の膨満感、浮腫などが生じます。
低マグネシウム血症(頻度不明)
血液中のマグネシウムの濃度が低いことです。
吐き気、嘔吐、眠気、脱力、筋肉のけいれん、振戦、食欲減退が生じます。

ここで紹介した副作用は、まれに生じることがあるものであり、必ず起こるものではありません。
ただ、気づかずに放置していると重くなり健康に影響を及ぼすことがあります。
異常に気づいた場合は、処方医に相談するなど、早めに対処することが大切です。

ネキシウム服用の際の注意点

まず、ネキシウムの成分(エソメプラゾール)に対して過敏症(アレルギー)がある人は、絶対に服用しないでください。
一般にお薬によりアレルギーを起こした人が同じお薬を再度服用すると、重篤なアレルギーを起こすことがあるからです。

また、相性の悪いお薬も存在します。
特に、エイズの治療薬を飲んでいる方は、注意が必要です。一部のエイズのお薬の中には、飲み合わせが非常に悪く、絶対に一緒に服用できないものがあります。
ネキシウムによって胃の中が中性に傾くと溶けにくくなり、エイズの薬の効果が弱まってしまうことがあるからです。
その他、一部の睡眠薬や、血液をサラサラにするお薬、免疫抑制剤、てんかんのお薬、心臓のお薬やカビに対するお薬の中にも、併用に注意した方が良いものが存在します。
他にお薬を飲んでいる方は、必ず医師や薬剤師に相談してください。

「セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)」の摂取にも注意が必要です。
セイヨウオトギリソウは、うつや沈んだ気持ちを改善すると言われ、健康食品や、ハーブティーに含まれていることがあります。
セイヨウオトギリソウは、ネキシウムを不活性化させる酵素を誘導するため、ネキシウムを効きづらくしてしまう可能性があります。
とはいえ、普通に生活している上で、まずセイヨウオトギリソウを含有する食品を口にすることはほとんど有り得ないので、健康食品やハーブティーを摂取していない限り、過度な心配は必要ありません。

ネキシウムの成分は、主に肝臓で代謝(不活性化)されます。
肝臓の機能などの生理機能が低下している高齢者や、肝障害をお持ちの方は、お薬が効きすぎる可能性があるため、低用量から服用を始めるなど、医師と相談しながら服用してください。

ネキシウムは先程説明した通り、消化管を攻撃する胃酸の分泌を強力に抑える作用があるため、服用すると比較的早くお腹の痛みが軽減することがあります。
しかし、痛みがなくなったからといって、根本的な症状が改善しているとは限りません。
ですから、勝手に自己判断で服用を中止せず、医師の指示が指示した期間内は、きっちり服用を続けてください。

医師や薬剤師からの指導により、服用のタイミングが決まっている場合は、それに従って服用をしてください。
ただし、特に食前や食後に服用しなければいけないといった決まりはありませんので、もしも飲み忘れてしまった場合は、気がついたときにできるだけ早く飲んでください。
ただし、次の服用時間がせまっている場合は、1回分を飛ばして、次の通常の服用時間に1回分を飲んでください。
絶対に2回分を一度に飲まないでください。

ネキシウムは胃酸の分泌を抑えることで、胃の働きを正常な状態へと導きます。
消化性潰瘍や、逆流性食道炎などのつらい症状を改善させるためにも、必ず指定された用法用量を守って服用してください。

ネキシウムの入手は処方以外にも存在する

ネキシウムを使用する場合、病院で処方されたのを服用するのが一般的ですが、その他にも個人輸入という形で入手することができます。
個人輸入とは海外にある製品を海外の店舗や通信販売会社などから個人で輸入することを指します。
ネキシウムを処方するのと通販サイトから個人輸入をするの違いは値段が異なります。
病院では診察料、処方箋料、調剤技術料などがかかりますが、個人輸入ではネキシウム自体の値段以外には基本一切かかりません。(通販サイトによっては送料もかかる場合あり)

トータルでいうと個人輸入で入手したほうが安く手に入ることができます。
しかし、安い一方でデメリットもあり、個人輸入でトラブルが起こった場合には全て自己責任になるので注意が必要です。
また、ネキシウムについて効果や副作用などは病院で医師に聞くことができますが、個人輸入では海外の製品なのでパッケージが英語で説明されていて、詳しい内容を理解するのが難しいでしょう。
このように病院の処方と個人輸入にはメリット・デメリットが存在するので、安全に入手したい人は病院での処方をして、安く手に入れたい人は通販サイトを使って個人輸入するといいでしょう。

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